サードパーティーcookie廃止でGoogleAnalyticsは使えなくなる?
デジタルマーケティング業界では、欧米をはじめ日本でもプライバシー保護の観点からの規制強化により、サードパーティーCookieを規制する方針をとっています。各国でcookieを規制する動きが進み、SafariやFirefox、Edgeなどの主要ブラウザでも従来のようにサードパーティーCookie廃止の方向で規制が進んでいます。
そうなるとGoogleAnalytics(GA4)は使えなくなるのでしょうか?またGoogleAnalyticsにおけるクッキー設定の注意点についても解説します。
GoogleAnalyticsが使用しているcookie
ユーザーの行動履歴などをブラウザに一時的に保管できる情報のことをCookieといいます。Cookieには「ファーストパーティCookie」と「サードパーティーCookie」の2種類あります。
ファーストパーティCookieとは閲覧サイトが発行するCookieで、主にユーザーの利便性を向上させるために活用されています。
サードパーティーCookieとは第三者のドメインから発行されるCookieで、主に広告配信に活用されます。
GoogleAnalytics(ga4)はファーストパーティCookieを利用しているため、サードパーティーCookieが廃止されても、問題なく計測ができます。
ファーストパーティーcookieでも制限されるケース
ファーストパーティーcookieであってもSafariはITP(Intelligent Tracking Prevention)による規制が影響します。ITPとは、アップル社がユーザーの個人情報保護の観点から導入しているサイトのトラッキング防止機能です。
2017年にリリースされて以来規制範囲が拡大し、ファーストパーティCookieであっても制限がかかるようになりました。そのためGoogleAnalyticsの計測にも影響が出ています。
特に日本ではiPhoneユーザーが多いため、ITPによる影響がさらに大きいと推測されています。
Google analytics(GA4)のcookie設定の注意点
計測できないデータがある
GoogleAnalyticsにはCookieの保持期間があり、それによって計測できないデータがあります。Cookieの保持期間はブラウザによって異なるので、それぞれの期間を把握しておく必要があります。
規則が厳格なSafariの場合、ファーストパーティCookieの保持期間は最大7日です。
計測期間に注意する
GoogleAnalyticsでは過去のクリックをCVに紐付けられるのは、デフォルトで30日、最大で90日となっています。この期間を過ぎると、新規ユーザーとして計測されてしまい、CV率やCV数の計測に影響が出ます。
検討期間が長い商材については、ユーザーの態度変容が把握できなかったり、ユーザー数が重複計測されたり、ラストクリックのみしか計測できないといった影響を受け、ユーザー行動の全体像が把握しにくくなります。
GoogleAnalyticsのファーストパーティCookie
Cookie_utma
Cookie_utmaは訪問者を特定するためのCookieです。ビジターID、ドメイン名、アクセスした日時、アクセス回数などの情報を収集します。
設定または更新から2年間有効となり、その間に再び訪れても1人のユーザーとしてカウントされるので、リピーターの数や頻度の把握ができ、サイトの更新頻度やコンテンツの価値の検討に活用できます。
Cookie_utmb
Cookie_utmbはサイトにアクセスした日時やページ移動など、セッション全体の情報を収集します。30分以上リクエストがないとセッション終了したとみなし、情報を削除します。
同じユーザーから複数のページビューがあったり、頻繁なリクエストがあれば、ユーザーがサイトへ興味を示していることを把握できます。
Cookie_utmz
ドメイン名、アクセスした日時、アクセス回数、リファラー以外から訪れた回数など、参照元に関する情報を収集します。
セッションの有効期限は6カ月で、その期間内に再度訪問したユーザーを紐付けて測定します。
参照元を把握できるので、強みがある参照元、集客アップのために力を入れる箇所を検討するための参考にできます。
GoogleAnalyticsはファーストパーティCookieを利用している
GoogleAnalyticsはファーストパーティCookieを利用するので、コンバージョンに関しては問題なく把握できます。
プライバシー保護やセキュリティ意識の高まりから、各国でサードパーティーCookieの規制が進んでいるので、ファーストパーティCookieを活用できる広告手法を開発していく必要があります。
下記のページでは、ファーストパーティデータ活用の重要性について解説しています。参考にしてください。
