MA(マーケティングオートメーション) ツールとは何が違う?
効率的なマーケティング活動に欠かせない、MAツールとCDPツール。両者の違いをご存じですか?ここでは、それぞれのツールの特徴と、メリット・デメリットなどをご紹介します。
MAツールとCDPツール、
それぞれの特徴は?
CDPツールで情報を整理し、MAツールで施策を実行する
MA(マーケティングオートメーション)ツールとは、マーケティングを自動化するツールのことです。マーケティングには、見込み客の獲得・育成から商談化などさまざまなフェーズがありますが、MAツールはこれらの作業を自動化し、効率的なマーケティング活動をサポートしてくれます。
これに対してCDPツールは、顧客データを収集・蓄積・処理するプラットフォームです。見込み客だけでなく、潜在顧客や既存顧客も含む全ての顧客データを処理します。
扱うデータの範囲が違う
両者の大きな違いは、扱うデータの種類です。
MAツールが扱うのは、施策の実行と効果測定に関する見込み客のデータだけ。氏名やメールアドレス、メール配信履歴、メール開封やクリックの履歴、フォーム入力内容などです。
これに対してCDPツールは、顧客に関連する全てのデータを集約することができます。名前やメールアドレスがわからない匿名ユーザーのデータもWebサイトのログデータから収集できる上、MA以外のツールのデータや外部データ、実店舗での購買情報など、多種多様なデータを収集することができます。
このため、まずはCDPツールで基盤となる顧客情報を収集し、目的に合わせて分類などを行った上で、MAツールで施策を実行するのがおすすめです。
MAツールとCDPツールの
メリット・デメリットは?
MAツールは「見込み客」への
アプローチに最適
MAツールのメリットは、見込み客の属性や行動のデータをもとに適切なアプローチができる点にあります。
見込み客一人ひとりにアプローチしてトライ&エラーを繰り返さなくても、可能性の高い見込み客を相手に質の高い商談をすることができます。これにより、業務効率化や生産性向上、人件費などのコスト削減が期待できるでしょう。
ただし、MAツールの対象は、見込み客のみ。Webサイトを閲覧しただけの匿名ユーザーなどは対象外です。
また、実行できる施策は主にメール施策のみである点も要注意。見込み客をスコア付けし、関心度や購入確率などに合わせてメールを送付することはできますが、その先の施策はCRMなど他ツールを利用しなくてはなりません。
CDPツールなら多くの情報をもとに「顧客理解」ができる
一方、CDPツールのメリットは、社内外に散在する顧客データを一元管理することで、より多くの情報をもとに顧客分析を行える点にあります。これにより、顧客の行動をこれまで以上に深く理解し、一人ひとりに合わせたマーケティング施策を行うことができるでしょう。
MA単体での活用シーン
MA(マーケティングオートメーション)は、見込み顧客の育成に特化したツールです。主な活用シーンとしては、以下のようなものが挙げられます。
- メールマーケティング:見込み顧客の属性情報や行動履歴に基づき、適切なタイミングでパーソナライズされたメールを自動で配信します。これにより、購買意欲を高めることができます。
- リードスコアリング:顧客ごとの行動履歴や属性情報に基づいて見込み顧客をスコアリングし、ホットリードを特定して営業活動を効果的に行います。
- ウェブサイトでの行動追跡:訪問者の行動を追跡し、フォーム入力やページ閲覧のデータを収集して、マーケティング活動に活用します。
MA単体では、メールやウェブサイト上での施策が中心となり、他のデータソースとの連携が難しい場合があります。また、データの保有期間や分析機能に制約があることが多いため、長期的なデータ活用には限界があります。
CDPとMAを併用した活用シーン
CDP(カスタマーデータプラットフォーム)とMAを併用することで、より広範で高度なマーケティング施策が可能になります。
- データの統合と管理:CDPは様々なデータソースから顧客データを収集・統合し、単一のプラットフォームで管理します。これにより、オンライン・オフラインを問わず、多様な顧客データを活用できます。
- 精度の高いセグメンテーション:CDPは機械学習を用いて複雑なセグメンテーションを行い、その結果をMAに連携することで、より精度の高いターゲティングが可能になります。
- 包括的な顧客理解:MAとCDPを連携することで、見込み顧客の全ての行動データを長期間にわたり蓄積し、深い顧客理解を実現します。これにより、最適なタイミングで最適な施策を実行できます。
CDPとMAの併用により、企業は顧客体験を一貫して改善し、マーケティングの効果を最大化することができます。
「見込み客の育成」に特化したMAツールと、幅広い顧客のデータを収集、統合して活用するCDPツール。
それぞれ単体での使用もできますが、併用することで、企業のデータ活用の幅を大きく広げることができます。深い顧客理解に基づいたマーケティング施策を行いたい方は、ぜひ組み合わせた活用を検討してみて下さい。
ただし、導入の際は、企業の業務やニーズに合ったツールを選ぶよう注意しましょう。各社が提供するツールにはそれぞれ得意不得意があるため、しっかり把握した上で、適切なツールを選んでください。
こちらのページでは、4つのニーズ別におすすめのCDPツールをご紹介しています。