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CDPツールを導入するメリット・デメリット

顧客属性や行動データの収集、統合、分析を行うCDPツール。個々の顧客に適切なアプローチが可能となるため、デジタルマーケティングにおいて注目を浴びています。ここでは、CDPツールを導入するメリット・デメリットについてまとめました。デメリットも理解した上での導入を検討してみてください。また併用することで便利なツールも紹介しています。

CDPツールを導入するメリット・デメリットは?

CDPツールを導入するメリットとデメリットはどのようなものでしょうか?メリットだけ見ていると、導入後に後悔することにもなりかねません。どちらもしっかり把握した上で、導入を検討しましょう。

メリットについて

顧客に合わせた施策を考えられる

CDPはリアルタイムに顧客の行動に合わせた施策が行えます。それは顧客データを統合して一元管理するため、顧客の興味のあることや趣味などを的確に把握し、タイムリーに情報発信することができます。

例えば顧客があるショッピングモールで買い物をしたことがわかれば、瞬時にそのモールで使えるクーポンを発行することができます。

商品を売るだけでなく、顧客が求めているものに寄り添った施策ができ、顧客満足度も上がることが見込めます。

データ分析・施策・検証が効率化

CDPツールはデータ収集・統合・分析が得意です。

顧客の属性や嗜好、行動履歴などを収集し、名前や性別、年齢などの属性に分類し、WEBサイトやスマホアプリを使ってどのような行動をしたかを把握することができます。

収集したデータを分析して仮説を立て、タイムリーな施策を実施できます。さらにその施策に対して顧客がどのように反応したかも収集・分析してより適切な施策へ導くことができます。

これらを手作業で行えばかなりの時間がかかり、その間に市場や顧客ニーズは移り変わってしまいます。

顧客情報や分析結果など情報共有ができる点

CDPツールの導入により、各部署が持っている顧客情報を一元管理できるだけでなく、情報や分析結果などを共有することができます。各部署の情報を共有することにより、業務改善や効率化を図れます。

例えば、同じデータからマーケティング部では分析結果から次の施策を検討しますが、保守対応部ではクレームの傾向分析を行うといった具合です。

さらに商品開発部は顧客ニーズから新商品の開発を行い、製造部は生産数と期間の調整が行えます。CDPでの分析データを共有することで、各部門ごとに有効に活用できるようになります。

デメリットについて

同意管理(コンセント・マネジメント)が必要

Cookieのデータを個人識別の情報とリンクさせて利用するなら、本人の同意が必要です。このようにCDPツールの使用においては、顧客(ユーザー)と顧客のデータを利用する企業との間で取り決めを表示し、顧客の同意状況を管理しプライバシーに配慮しなければなりません。

顧客の同意管理の数が多い場合には、同意管理ツールのCMPを利用すれば、Cookie同意管理のポップアップ表示などが可能となり便利です。

最適なCDPツールを選ぶ難しさ

CDPツールの仕組みは複雑で、最適なツールを選ぶのは困難です。膨大な収集データを多角的に分析しても、分析結果を正しく判断することも難しいため、適切な解答を導き出すのは簡単ではありません。

CDPツールを機能として熟知していたとしても、活用する目的が異なれば自社にマッチした最適な応えを探し出すことが必要です。CDPツールで自社の目的を達成できるのか確認するために、導入前サポートの利用をおすすめします。

個人情報漏えいのリスク

CDPツールで収集したデータには、顧客の個人情報が含まれています。名前や年齢などの属性だけでなく、趣味嗜好や購入履歴、閲覧サイトなどさまざまなデータがあります。万が一管理運用体制に不備があり、これらのデータが漏えいしてしまうと顧客に被害が出てしまうだけでなく、自社の信用も失墜します。

社内でのセキュリティ対策は行っていても、クラウド環境に対応したCDPツールで社員が外出先からアクセスしたことにより、顧客の個人情報が漏えいするリスクもあります。

落ちた信用は簡単には取り戻せず企業経営の危機に陥ることもあるため、セキュリティ管理と社員への教育を徹底的に行い、定期的に全社的に厳重なセキュリティ対策を行いましょう。

プライバシーポリシー・規約確認が必要

2022年4月から改正個人情報法が施行され、企業のプレイバシーポリシーへの対応が義務付けられました。CDPツールを活用するためには、プライバシーポリシー・規約確認が必要となり、個人情報の利用目的を明示して顧客の同意を得なければなりません。

適切に対応していない場合には、法律違反となり企業の信用が傷つくことになります。

CDPツールが必要とされる理由とは

マーケティング業界において、CDPが必要とされる理由は、主に「チャネルの多様化によるデータのサイロ化」と「Cookie規制によるマーケティング手法の変化」にあります。

データのサイロ化への対策のため

近年、ユーザーは複数のデジタルデバイスを使用してWeb広告やWebサイトにアクセスするため、企業はマルチデバイス対応を迫られています。これにより、さまざまなチャネルでのユーザー情報が増加していますが、その情報が企業内の異なる部署やシステムに分散し、一元管理されていない状態が問題となっています。CDPは、これら分散したデータを収集し、一元管理することで、顧客全体像を把握しやすくします。

Cookie規制への対策のため

CookieはユーザーのWeb上での行動履歴を追跡し、マーケティングに活用される重要なツールでしたが、EUを始めとする各国のプライバシー保護の観点から、Cookieの使用に関する規制が強化されています。これにより、企業はCookieに依存せず、自社で保有する顧客データを活用する方法を模索する必要が生じています。CDPは、Cookieに依存しないで顧客データを効果的に管理し、マーケティング施策を展開するための有力な手段となっています。

CDPツールとCRM、DMPとの違い

CDPと類似したツールとして、CRMとDMPが挙げられます。

CRM(顧客管理システム)

CRMはCustomer Relationship Managementの略称であり、顧客管理システムとも呼ばれます。その名の通り、主に既存顧客との関係を強化するためのシステムです。CRMも顧客情報を一元管理し、マーケティング施策に活用できますが、CDPと異なる点は管理する対象の範囲です。

DMP(データ管理プラットフォーム)

DMPはData Management Platformの略称であり、インターネット上で収集された不特定多数のユーザー情報を一元管理するプラットフォームです。

CDPの導入方法

CDP導入前に行うこと

CDPを導入する前に、以下の3点を行います。

1.自社のプライバシーポリシー・規約の確認

CDPを活用する際には、顧客の個人情報を適切に管理するための規約や同意の確認が重要です。特に個人情報のシステム間連携に関する規定がある場合は、それに合わせてプライバシーポリシーを改訂する必要があります。

2.データの整理

CDP導入に先立ち、収集するデータを整理します。既存のデータ管理システムとのインターフェース仕様を確認し、データの取り込み方法やデータベースの設計、PIIデータの加工方法を決定します。

CDP導入の目的、KPIを明確にする

CDPの導入目的を定義し、具体的なKPI(主要業績評価指標)を設定します。長期的なプロジェクトとして位置づけ、会社の戦略に沿った効果的なマーケティング戦略を展開するための計画を策定します。

データの取り込み

CDPにデータを取り込むためには、以下の工程を実施します。

データの取り込み後は、分析やマーケティング活動に必要なデータを顧客ごとに分類・加工し、利用可能な状態に整形します。

各種ツールに連携

CDPで整理したデータを活用するために、報告配信プラットフォームや他の自社システム、外部ツールなどとの連携を設定します。これにより、マーケティング施策の実施と効果の測定をスムーズに行うことができます。

最終的には、施策の効果を定量的に評価し、PDCAサイクルを回して改善を行うことで、持続的なマーケティング効果の向上を目指します。

CDPと併用すると便利なツール

CDPと一緒に使うことで顧客をさらに理解し、より有効な情報の活用ができるツールを紹介します。自社のニーズや課題解決に役立つかどうか見極め、導入を検討してみましょう。

MAツール

MAツールは、自動で既存の顧客や見込み客の情報から最適なマーケティングを行います。顧客の関心や興味、行動を数値的に分析することで、合理的で効果的なマーケティング活動ができるようになります。

一方データの蓄積や分析、統合が得意なCDPは、データの活用によりマーケティングの施策を行うMAツールとは異なった目的を持っているといえます。

MAツールが持つ顧客データをCDPに取り込むことで、より詳細な顧客データが収集でき、深い顧客理解ができます。すでに個人情報のある顧客に対し、設定した条件下で自動的なアプローチが可能となりマーケティング活動の効果アップが期待できます。

MAツールとCDPツールの違い
について詳しく見る

BIツール

企業が保有するさまざまなデータを分析し、図やグラフなどに書き起こして可視化するBIツール。CDPツールはデータの蓄積・分析をするため、機能としてはまったく異なります。

BIツールにはレポート作成やオンライン分析、データマイニング、ダッシュボードなどの機能があり、BIツールとCDPを連携すると、CDPで収集・分析したデータを図やグラフなどに可視化することができます。

データが可視化されることで、進捗状況を確認しやすくなったり、戦略を立てやすくなったりと、CDPツールだけではできなかった複雑な分析が可能。分析結果をダッシュボードに共有すると、顧客情報をより有効に活用できるでしょう。

BIとCDPの違いについて詳しく見る

CDPのメリット・デメリットを理解して導入しよう

CDPは個々の顧客データを収集して統合、分析して、それぞれに最適なマーケティング施策を行うツールです。

メリットとしては顧客を一元管理でき、より制度の高い施策を実行できることや、各部署で情報共有できるようになることが挙げられます。

一方でデメリットは、同意管理(コンセント・マネジメント)やプライバシーポリシー・規約確認が必要だったり、最適なCDPツールを選択することが難しいことがあります。また個人情報漏えいのリスクもデメリットです。

CDPツールを導入する際には、メリットだけでなくデメリットまでしっかり理解した上で導入を検討するようにしましょう。

要望別に比較
CDPツールおすすめ4選

「連携・活用のしやすさ」「導入率・シェア率の高さ」「費用の安さ・低コスト」「サポートの充実度」という
4つの要望別にそれぞれおすすめのCDPツールを厳選。自社が抱える課題感に合うCDPツールを探してみてください。

※2023年5月8日調査時点で、「CDPツール」とGoogle検索し表示されるCDPツール20社のうち、導入実績や実例を公式サイトに掲載している製品をピックアップ。そのなかで、公式HPで確認できる情報もとに以下の条件で要望別に各ツールを選定しています。
■連携・活用のしやすさ=Tealium(統合可能なシステムが最も豊富だったため)
■導入率・シェア率の高さ=TreasureData CDP(導入実績が最も豊富だったため)
■費用の安さ・低コスト=goline CDP(初期費用・月額費用が最も低かったため)
■サポートの充実度=Rtoaster insight+(対応満足度が最も高かったため)