CDPとRFM分析
RFM分析は「最新購買日・購買頻度・累計購買金額」で顧客を評価する手法で、各指標をもとにランク付けやスコアリングを行い、明確なセグメントを得ることができます。データを活用する分析手法のため、CDPツールの活用も役立ちます。ここでは、CDP活用の利点と運用手順、施策設計の勘所について紹介します。
RFM分析の基本
RFM分析は、Recency(最新購買日)・Frequency(購買頻度)・Monetary(累計購買金額)のそれぞれ頭文字をつなげた分析手法です。
Recency(最新購買日)は、「最後にいつ買ったか」を示します。Frequency(購買頻度)は「一定期間で何回買ったか」です。Monetary(累計購買金額)は「合計でいくら買ったか」を表します。この三つの指標を組み合わせることで、顧客価値とロイヤリティがデータから浮かび上がるようになります。
CDPで高まる精度と信頼性
CDPツールを使い、顧客IDを統合すると、チャネル横断の履歴を結合できます。これにより「最後の購入日」や「累計回数・金額」を正確に算出できるようになるのです。CDPは更新を自動化できるので、RFMスコアの再計算を定期実行できるようにもなります。月次集計をより早く、状態変化を機敏に捉えられる点が魅力です。
データを活用しセグメントする
実際に進める際は、データの準備からです。顧客ID統合と期間の定義をそろえ、各指標にランクを付け、組み合わせで顧客群を作ります。顧客群に対し、「VIP」「ロイヤル」「休眠前」などラベリングを行って明確化します。ここまでできれば、スコアを定期更新しながら運用をスタートし、適宜、閾値と期間を見直していくだけです。
セグメント別の代表施策
VIP
R・F・Mが高い層は、VIPとして定義されます。ずっと顧客として継続したい層です。限定オファーや先行案内で関係性を強化していきます。その他、優遇につながるステータス付与や特典の設計が有効です。
ロイヤル
購入頻度は全体で見て高め、ただし金額が伸び悩んでいる層はロイヤルとして定義されます。購買金額を高めるため、購入するカテゴリ拡大や単価引き上げにつながる施策が必要です。関連商品の訴求でバスケット拡大を狙います。
休眠・離反懸念
購買日がかなり前となっている層です。一定期間の未購買をトリガーに、再購買クーポンを配信する対策が有効となります。復帰を促すきっかけを作る必要があるためです。
新規
まだ購買頻度と累計購買金額が低い層です。まず試用やお得な初回特典で関心を喚起します。体験の積み上げで次回購入の確率を高める施策が重要です。
MA・広告との連携で実行力を高める
CDPで作成したセグメントはMAに同期できます。メールやアプリ通知、広告配信でチャネル横断の実行が可能です。ルールやスコアをそのまま連携し、運用の手戻りを減らします。
成功のポイント
成功させるためには、チャネル分断とならないように、CDPでデータを一元化する必要があります。また、更新頻度の不足は分析の精度を落とします。定期的な更新を計画立てましょう。最後にセグメントの固定化に注意しながら、指標と閾値が適切かの評価を進めます。一度作ったら終わりではなく、運用を丁寧に行うようにするべきです。
質の高いRFM分析のためにCDPを活用しましょう
RFM分析は「誰に、どの順で、何を届けるか」を明らかにしてくれる分析手法です。CDPがあれば、より正確なデータと素早い更新が可能となって実行精度が高まります。
