CDPでカスタマージャーニーへのアプローチが変わる
CDPでカスタマージャーニーにどうアプローチするか
タッチポイントが多様な時代、カスタマージャーニーが見据えるものは「想定シナリオ」ではなく、「リアルタイムに変化する個別体験」へ進化しています。
そこで基盤となるのが顧客データプラットフォーム(CDP)です。CDPは、Web行動やアプリ利用、店舗購買、コールログなど断片化したファーストパーティデータを ID ベースで束ね、単一顧客ビュー(SCV)を生成します。
この統合データを軸に MA・広告・カスタマーサクセスツールへ瞬時にフィードすることで、ステージごとに適したコンテンツやオファーを自動配信し、効率の良いマーケティングを実行できます。一例として各ステージをまとめました。
認知ステージ:精緻なセグメントで見込み客を惹きつける
- AIクラスタリング:自社サイトに初めて訪れたが高購入確率といった潜在顧客を検出
- プラットフォーム連携:Facebook Ads や Google DV360 へ忠実度の高いシードを送り、類似拡張広告を効率化
比較・検討ステージ:行動データに応じたパーソナライズ
- ジャーニーマップの可視化:オムニチャネル行動を可視化し、離脱ポイントを特定
- トリガー施策:閲覧カテゴリやカート投入商品を基に、MAとシンクロし、1to1メール/LINEを送信
- アトリビューション分析:成果の薄い施策を即時停止し、ROIを最適配分
購入・コンバージョンステージ:ネクストベストアクションで背中を押す
- 購買確率スコア:CDP内の機械学習モデルがスコアを算出し、閾値超過ユーザーに限定クーポンを配信
- 在庫連携:POS/ECの在庫APIと連動し、在庫のある店舗をレコメンドして店舗送客を最大化
- プッシュ通知:カート放棄後30分以内に通知を送り、回収率を向上
継続・ロイヤリティ維持ステージ:LTV ドリブンの関係強化
- RFM/LTV スコアリング:購入履歴・応答率を基にVIPには早期アクセスや限定イベントを案内
- 離脱予兆の検知:閲覧停滞・メルマガ未開封などのシグナルを検知し、カスタマーサクセス部門へリアルタイムアラート
- 同意管理の一元化:GDPR・CCPAに準拠し、CDP上で同意管理を実施。プライバシー配慮とパーソナライズを両立
まとめ
CDPは断片化データを統合し、認知からロイヤル化までのカスタマージャーニー全体にデータで動くエンジンを組み込みます。
精緻なセグメント抽出、リアルタイム施策配信、AI予測によるネクストアクション、そしてプライバシー準拠までを一気通貫で支援し、顧客体験と事業成果を同時に引き上げる点がCDP を活用した現代マーケティングの核心と言えるでしょう。
