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サードパーティークッキーとアフィリエイト広告への影響

サードパーティークッキーは、ユーザーが訪問しているサイトとは別の第三者ドメインが発行するクッキーのことです。これによってクロストラッキング(サイトをまたいだ行動追跡)やリターゲティング広告が可能になります。具体的には、あるサイトで商品を閲覧した後、別のサイトを訪問しても先ほど見た商品が広告として表示されるケースが典型例です。

ただし、「見ず知らずの第三者が自分の行動履歴を追っているのでは」というプライバシー上の不安が高まり、ブラウザ各社がサードパーティークッキーのブロックや制限を進めるようになりました。Apple(Safari)やMozilla(Firefox)の対応が代表的です。

アフィリエイト広告におけるサードパーティークッキーの重要性

アフィリエイト広告では、ユーザーがブログやサイトに掲載されたアフィリエイトリンクをクリックし、商品購入などのコンバージョンに至った際、紹介元(アフィリエイター)に報酬が支払われます。その際に「どのリンクを経由したか」を特定するために、サードパーティークッキーが長らく活用されてきました。

具体的には、ASP(アフィリエイトサービスプロバイダ)のサーバーが第三者ドメインとしてクッキーを発行し、クリック日時やアフィリエイトサイトIDをユーザーのブラウザに記録します。後日ユーザーが購入したタイミングで、そのクッキー情報を照合することで「どのサイトの紹介から成果が発生したか」を判定します。

リターゲティング広告にも使用されていた

リターゲティング広告にもサードパーティークッキーが用いられていました。リターゲティングは、一度サイトAに訪れたユーザーを別サイトBで再度識別し、サイトAの商品広告を出し直して購買を促すという手法です。ユーザーのブラウザに保存された第三者ドメイン発行のクッキー(識別ID)をもとに、どのようなサイトを閲覧したかを判別して広告を出し分ける仕組みです。

サードパーティークッキーの規制強化によって、アフィリエイトで当たり前だったトラッキング手法が機能しなくなるリスクがあります。しかし、その背景にはユーザーのプライバシーを守るという目的があり、業界としてはクッキーに依存せずとも成果を正確に計測できる仕組みの開発や運用が求められています。すなわち「プライバシー配慮型の新しいアフィリエイト計測ソリューション」の確立がポイントになります。

サードパーティークッキー廃止がアフィリエイトマーケティングに与える影響

サードパーティークッキーが廃止・制限されるとアフィリエイトにどのような影響があるのか、そして業界としてどのような対策を講じているのかを紹介します。

規制の動向

AppleのSafariはすでにサードパーティークッキーを全面的にブロックし、Mozilla Firefoxもトラッキング目的のクッキーを標準で遮断しています。多大なシェアを誇るGoogle Chromeは当初2024~2025年頃にサードパーティークッキーを段階的に廃止する方針でしたが、2024年7月に一旦その計画を撤回する動きを見せました。ただしSafariとFirefoxはすでに利用できない状態であり、日本国内でもシェアがあるため、アフィリエイトにおいて無視できない影響があります。

アフィリエイトトラッキングへの具体的影響

コンバージョン計測漏れ

サードパーティークッキーが受け付けられない場合、クリック情報を保持できず、ユーザーが後日に購入しても成果が計測されない恐れがあります。Safariユーザーを中心に「実際の成果より少なく計測される」という乖離が生じることが懸念されます。

アトリビューション期間の短縮

AppleのIntelligent Tracking Prevention(ITP)によって、ファーストパーティークッキーであっても長くて7日間しか有効にならないケースがあり、30日や90日といった長期のコンバージョン判定ができなくなるリスクがあります。

クロスデバイス追跡の困難化

もともとスマホとPC間での行動を統合するのは難易度が高いですが、サードパーティークッキーの廃止でさらにハードルが上がります。一貫したユーザー行動の把握やマルチタッチアトリビューションが不正確になりやすいです。

リターゲティングが難しくなる

第三者発行のクッキーを使っていたリターゲティング広告は、ユーザーをサイト横断で識別できない状況では実施が困難になります。間接的にアフィリエイトからのCVR(購入率)を下げる可能性があります。

サードパーティークッキー規制の対策

ファーストパーティークッキーへの切り替え

多くのASP・広告主が、自社ドメインからクッキーを発行し、サードパーティークッキー規制の影響を抑える取り組みを行っています。例えばバリューコマースやA8.netでは早期からITP対応を実施し、Safari経由の成果が計測可能になるようにシステムを変更しています。

サーバーサイドトラッキング

ユーザーのブラウザ(クッキー)を介さず、サーバー同士でクリックや購入情報を照合する仕組みも普及しています。広告主のサーバーがユニークIDを生成し、それをASPのサーバーと直接連携することで、ブラウザの制限に左右されにくい計測を実現します。

Cookie属性の変更や新技術への対応

ChromeでのSameSite属性の厳格化などに対応する形で、ASP各社はクッキーの設定を変更して規制を回避しています。LocalStorageなど別のブラウザストレージを使う案もありますが、ITPの対象となる恐れがあるため、大勢はサーバーサイド計測やファーストパーティ化へシフトしています。

デバイスフィンガープリントの活用と停止

一部企業でフィンガープリント技術(ブラウザ情報などからユーザーを推定)を導入していた時期もありましたが、プライバシー強化の流れや精度の課題から廃止される事例が増えています。

コンバージョンAPIの導入

FacebookやGoogleが提供しているサーバー送信型のコンバージョン計測をアフィリエイトにも応用する動きが出ています。ブラウザの制限を受けずに広告主サーバーからASPサーバーへ直接成果データを送ることで、計測漏れを防ぐ狙いがあります。

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