クッキーの代替手段はある?活用のポイントを解説
近年進められているサードパーティクッキーの規制に伴い、その代わりになる技術・手法となる「クッキー代替手段」について解説しています。
クッキー代替手段とは?
主にサードパーティクッキーの代わりになる技術や手法を「クッキー代替手段」と呼んでいます。クッキーには「ファーストパーティクッキー」と「サードパーティクッキー」がありますが、近年クッキーの対象となっているのは主にサードパーティクッキーです。ユーザーの承諾なしで第三者に行動履歴や個人情報を取得されてしまうリスクがあることから、個人情報保護の観点などから問題視されています。
クッキーの規制によって、これまでサードパーティクッキーを用いてユーザーの行動をトラッキングしてきた場合には、他の方法を用いる必要が出てきます。このような背景から注目されているのが、「クッキー代替手段」です。
クッキーの代替手段・技術
Topics(Googleが開発・提唱)
「Topics」とは、Google社によって提唱・開発されているユーザー識別手段です。同社が提供するブラウザであるChromeを使用してデバイス内で完結するパーソナライズ技術を実現しているため、ユーザーは自分自身の情報を守りつつ、パーソナライズしたコンテンツの利用が可能になります。
また、企業側としてもユーザー自身から提供されるTopicsの活用により高い精度の情報収集につながることが期待できるといった面もあります。このような点から、「ユーザーのプライバシー保護」と「コンテンツパーソナライズ」の双方を実現できるとして期待されている技術です。
ファーストパーティクッキー
ユーザーが訪問したサイトのドメインが発行したクッキーを「ファーストパーティクッキー」と呼びます。これには顧客の氏名やメールアドレス、住所、購入履歴、閲覧履歴などが含まれ、企業が自社サイトで収集し保有しているデータとなります。
前述の通り、サードパーティクッキーの規制が進んでいることもあり、ファーストパーティクッキーの利用価値が高まっている状況にあります。自社で収集した情報であるためプライバシーに対する懸念が比較的少なく、今後も規制を受ける可能性も低いといえます。
ファーストパーティクッキーの利用により、ユーザーがサイトにログインしていなくても同一サイト内でのターゲティングが可能。さらに、同一サイト内でのアクセス解析、パラメーターを使用した広告効果の計測も行えます。
ゼロパーティデータ
ユーザーの意思によって企業と共有するデータを「ゼロパーティデータ」と呼びます。すなわち、「ユーザーの同意が取れているデータ」ともいえるものです。例えば、登録情報やアンケートの回答、自分の趣味嗜好など多彩な情報が含まれています。
ゼロパーティデータの特徴は、ユーザー自身の意思により共有されているデータであることから、他のデータと比較した場合にも信頼性と精度が高い点です。さらに、データを提供する際にも使用目的に同意していることから、データ使用におけるリスクが軽減され、プライバシー保護の観点からもメリットがあるといえます
共通IDソリューション
ユーザのデバイスやブラウザに固有の識別IDを割り当て、行動をキャプチャする技術を「共通IDソリューション」と呼びます。これは、クッキーに依存せず、特定のユーザーへのターゲティングや広告効果測定を行えます。
共通IDソリューションを生成するための方法としては、「電話番号・メールアドレスなどの確定的な情報を暗号化して生成するID(=確定ID)」と、「IPアドレスやブラウザなどの情報から、類似の行動をとるユーザーに割り振ったID(=推定ID)」の2種類があります。
確定IDは、確定的な情報によりIDを生成するため精度が高い点がメリットですが、広告配信の数が少なくなる点がデメリットとして挙げられます。逆に推定IDの場合精度は下がるものの、プライバシーに配慮しつつ広い範囲のユーザーに広告を配信できるメリットがあります。この確定IDと推定IDは、それぞれメリットとデメリットがありますが、両方を併用することが推奨されています。
コンバージョンAPI
「コンバージョンAPI」とは、クッキーを使わずにコンバージョンを計測する方法であり、クッキーの規制が進む中でデータ計測を行うための方法として注目されています。
これは、広告主のサーバーからプライバシーに配慮した形で、媒体の広告サーバーにイベントデータを直接送信する仕組みとなっています。この仕組みの活用によりクッキーに依存せずに、データを広告キャンペーンに関するコンバージョンの計測や広告配信の最適化に活用しやすいメリットがあります。
クッキー代替手段に注目を
こちらの記事では、クッキーの規制に伴う「クッキー代替手段」について解説してきました。さまざまな手法がありますが、まずは自社にあるゼロパーティデータやファーストパーティデータの有効活用を検討することがおすすめです。関連情報として、下記のページではファーストパーティデータについて詳しく解説していますので、こちらもぜひ参考にしてみてください。