CRM(カスタマーリテンションマネジメント) ツールとは何が違う?
効率的なマーケティング活動に欠かせない、CRMツールとCDPツール。両者の違いをご存じですか?
ここでは、それぞれのツールの特徴と、メリット・デメリットなどをご紹介します。
CRMツールとCDPツール、
それぞれの特徴は?
CRMツールとCDPツールは扱うデータの範囲が違う
CRMツールとは、「Customer Relationship Management」の略で、日本語では「顧客関係管理」または「顧客関係性マネジメント」などと訳されます。
「顧客情報の一元管理」「顧客情報分析」「プロモーション管理」などの機能を有し、既存顧客に関するデータの収集とアプローチを行うために活用されるツールです。
同じように顧客データを収集・蓄積・処理するCDPツールですが、CRMツールとの大きな違いは、扱うデータの種類です。CRMツールが「既存顧客」に関するデータを収集するのに対して、CDPツールは、既存顧客や見込み客だけでなく、潜在顧客や既存顧客も含む全ての顧客データを統合管理します。
また、CRMは基本的に単体での使用が想定されていますが、CDPは他ツールとの連携を前提に設計されているという違いもあります。
CRMツールとMAツールの違いとは?
ここで注意したいのが、CRMツールとMAツールの違いです。
CRMツールもMAツールも、同じように顧客に対するアプローチを効率化してくれるツールですが、その対応範囲が異なります。
MAツールでは、マーケティングのさまざまなフェーズのうち「見込み客が顧客化するまで」をサポートし、CRMツールでは「顧客化した以降の、顧客満足や顧客ロイヤリティの向上」をサポートします。
似ているようで目的が異なるため、場面に応じて適切に使い分けることが大切です。
CRMツールとCDPツールの
メリット・デメリットは?
CRMツールのメリット
CRMツールのメリットは、顧客との関係を強化し、顧客満足度を向上させるための機能を提供する点にあります。これにより、リピーターの増加や顧客のロイヤリティ向上が期待できます。また、顧客情報を一元管理することで、営業やマーケティング、カスタマーサポートなど、異なる部門間での情報共有がスムーズになります。
CRMツールのデメリット
一方で、CRMツールのデメリットは導入や運用にかかるコストと時間です。システムの設定やカスタマイズ、社員へのトレーニングなど、初期投資が必要となります。また、データ入力や更新作業が煩雑になることがあり、利用の定着に時間がかかる場合もあります。
CDPツールのメリット
CDPツールのメリットとしては顧客データを一元管理することで、各部門間でのデータ共有が容易になります。また、顧客の行動データを基にしたパーソナライズされたマーケティング施策が実現できます。
CDPツールのデメリット
導入コストや運用コストが高く、データの質と精度を確保する必要があります。また、大量の顧客データを扱うため、プライバシーとセキュリティの管理が求められます。
CDPツールならより多角的な顧客理解が可能
CRMツールを導入することで、これまで営業担当者それぞれが管理していた顧客情報を一元管理し、担当者間や部署間で共有することができます。これにより、営業担当者が異動・退職の際の引き継ぎや、不在時のトラブル・問い合わせにも対応できるようになるでしょう。
また、顧客一人ひとりの情報に合わせて適切なサービスを提供できるため、顧客満足度の向上が見込めます。
一方でCDPツールのメリットは、社内外に散在するさまざまな顧客データをもとに顧客分析を行える点にあります。CRMのみではできなかった顧客理解ができたり、より良い戦略を立案したりすることも可能です。
一方で、どちらもシステムの構築にコストや時間がかかる点はデメリットです。社内で利用を定着させるためには、社内研修や説明会なども行う必要があり、担当部署に業務負担が生じるかもしれません。
CRMツールとCDPツールの違いについて解説しました。どちらも効率的なマーケティングに欠かせないツールですが、近年は、CDPの需要がより高まっています。
CRMよりも幅広いデータソースから収集したデータをもとに深い顧客インサイトを導き出し、顧客を自然とコンバージョンへ導くことが可能だからです。
カスタマージャーニーの全体像を把握した上で適切なマーケティングを行いたいなら、CDPツールの導入がおすすめです。
ただし導入の際は、企業の業務やニーズに合ったツールを選ぶよう注意しましょう。各社が提供するツールにはそれぞれ得意不得意があるため、しっかり把握した上で、適切なツールを選んでください。
こちらのページでは、4つのニーズ別におすすめのCDPツールをご紹介しています。